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2012年4月 7日 (土)

【学校行事】平成24年度 東京都市大学等々力中学校・高等学校 入学式式辞 

平成24年度 入学式式辞

校長 原田 豊

今年は例年になく訪れの遅い春ではありましたが、校門の桜だけは今を盛りと言わんばかりに、みなさんの訪れを待つかの如くに、咲き誇っている今日この日、東京都市大学グループ総長・中村英夫先生、五島育英会理事で前都市大等々力中学高等学校長・海老原大樹先生、法人からは橋本昌彦理事 をはじめ、本校後援会、ならびに同窓会、また学校評議員各位のご臨席のもと、平成24年度東京都市大学等々力中学校高等学校入学式を挙行できますことは、教職員にとりましても、この上ない喜びでございます。とりわけこれまでお子様を育てられてきた保護者の皆さまにおかれては、感激もひとしおであろうと存じます。謹んでお慶び申し上げます。

ただいま入学を許可された中学部166名、高校部169名、合わせて335名の新入生のみなさん、入学おめでとうございます。私はじめ教職員全員でみなさんを都市大等々力の新しい仲間としてお迎えいたし、教職員を代表して歓迎の言葉を申し上げます。

新入生のみなさんは、極めて難関の入学試験をみごと突破して、入学を果たされました。中学入試においては、志願者総数3731名、これは共学校としては都内ナンバー1の実績であります。受験者総数にしても1698名であり、倍率3.34倍という高倍率の入試でありました。

また、高校入試においても、単願併願を問わず、非常に厳しい推薦基準をクリアし、その上で、本校の入学試験を見事突破して、入学を果たされたわけです。こうした厳しい入学試験を突破して入学を果たされたみなさんは、ひとしく高い能力に恵まれている。まず、そのことに自信を持ち、同時に、今日、都内で最も注目を集め、期待を寄せられている本校に入学をしたということに対する誇りを持ってほしいと思います。自信と誇り、それをもって、これから始まる、都市大等々力での学校生活を思い切り楽しんでいただきたい、私は切にそう望みます。

また、ここには、3年間本校で過ごされ、無事、中学課程を修了し高校に進まれた、女子部の高校新入生のみなさんもいらっしゃいます。みなさんもまた、新生都市大等々力の中学課程を立派に終了したことに対する自信と誇りを同じように持っていただきたい、さらに、みなさんは、本校での3年間の教育に共感していただいた上での、高校部の選択であるということに、大変意義深いものがあり、それは大変に価値のある選択であったと思うのであります。どうかそのことも今一度しっかりと自覚していただきたいと思います。

さて、今私は入学を果たされたみなさんにおめでとうと言いました。しかし、言葉の厳密な意味において、今、まだ、みなさんは都市大等々力の生徒になったわけではない、そのことも、私はあえて、言わなければならない、と思っています。

3年前、東京都市大学等々力中学校高等学校は進学実績の向上・授業の充実を一つの指導の柱として出発しました。広く英知を求め知性を磨いたその暁に、少しでも社会的評価の高い大学に進学することに何の悪いところがありましょう。また、あらゆることを吸収できる若い時期に、様々な知識・技能を注ぎ込んでいくことは、「詰め込み教育」などと言って非難されるようなことではなく、むしろ逆に、新入生それぞれの前に広がっている無限の可能性を、一つひとつ確実に実現させていくための、とても有効な教育の一つなのだと考えています。ですから、私たちは徹底して学習してもらうよう指導することに何の躊躇もいたしません。学習指導を、そして学習に向かう力を強化します。

もちろん、6年間、あるいは3年間の学校生活が大学進学のためだけにあるのではないなどということは、ことさら力んでいう必要もないほど、自明のことだとも思っています。部活動の重要性はもとより、友と語らい、多くの体験の積むことは、多感な青春時代には欠かすことのできない必須の事柄です。どうかみなさん、部活動に積極的に参加し、先輩後輩の縦のつながりの中で多くのことを学んでほしいと思いますし、その他の行事や活動で自分を鍛えながら、都市大等々力で生活する時間を有効に活用し、楽しく密度の濃い時間を過ごしてください。

しかしながら、大学進学をめざし、部活動に励み、多くの体験積むための学校生活ならば、率直に言って、都市大等々力でなくても他に学校はたくさんあったはずだし、事実たくさんあります。都市大等々力でなければならないもの、それは、本校は説明会などでもお話ししてきたように、ノブレス・オブリージュの精神を持った有能な若者を育成したい、これが、都市大等々力が都市大等々力である根本の存在理由です。ノブレス・オブリージュ=高潔な若人が果たさなければならない責任と義務。その責任と義務をいつも自覚しながら生きていけるような高潔な若者の育成、これが私たちの教育理念であります。

弱い者いじめは高潔なもののすることでは断じてありません、困難を前にして逃げ出してしまうのも高潔でないし、少しのやせ我慢もできずすぐ投げてしまうのも高潔とは程遠い。

志を高く持って努力し、勉学にいそしんで向上し、いつも仲間のこと誰か他人のことを思いやって行動できるような人になること、言い換えれば、「高潔・英知・共生」の三つの目標を達成しようと努力できる人、そういう人になることが、努力の上、難関の入試を突破してつかんだ、都市大等々力生の証なのであります。

進学も部活動においても、あらゆる本校での活動が、このノブレス・オブリージュの精神に支えられているのです。ですから、本校の進学指導は、ただ単に偏差値の高い学校に受かりたいというところから出発したとしても、そこで終わることなく、大学に合格した後、将来どのようにして獲得した知識や技能を、社会に振り向けたらいいか、そういうところにまでつながっていなければなりません。部活動にしても、単に勝った負けたが大事なだけではなく、勝ちっぷり、負けっぷりということを大事にしなければならない、ノブレス・オブリージュの精神の精神に貫かれた、本校の部活動なのであります。

こうしたことを決して忘れることなく、つまり、名実ともに都市大等々力生となって、これから始まる6年、あるいは3年間を大いに楽しんでほしいと願っています。ぜひ頑張ってください。

そして、ノブレス・オブリージュの精神を掲げ、高い進路目標の達成を目指してスタートを切った学校に、奉職している身であるということを、私たち教職員もまた、しっかり自覚して、新入生のみなさんが、毎日、充実した学校生活が送れるよう、最大限のサポートをしてまいります。そのことを、最後に新入生のみなさん、及び保護者の皆さまの前で今一度お約束申し上げ、式辞といたします。

本日は本当におめでとうございました。